
SUGARHILLは2019年頃から取り扱いを始めたので、提案するのも今年で6年目となります。ウチの今のラインナップの中でも相当古株。まだ若いブランドなのに、新進気鋭とはもう絶対言えないくらい、しっかりとした実力を毎シーズン示しています。
このデニムの生地で製作されるジャケットとパンツは、SUGARHILLの顔になりました。一時期は需要が高く、即完してしまって、転売のようなことも起こっていました。このアイテムと付き合うのが難しく感じていた時もありました。これは適正な評価なのだろうか?と。一過性の流行で終わるブランドではないのに、消費されて終わってしまうのではないか?と。
(因みに、「即完」というワード、僕は大嫌いです。欲しいのに買えない人がいる状況を生み出しておいて、何故かいいことのように使われるワードなので。お店としては嬉しいことなのだろうけど、消費者からしたらたまったもんじゃない。バイヤーの実力不足が生む事態でしょ、と思っています。これに関しては改めて。)
今、その熱がやや落ち着き、ようやくこのアイテムを見直せる時期に入ったと感じています。やっぱりカッコいいよね、これ。

経糸にインディゴ染めの糸を使い、緯糸に晒しの糸を使って、綾織した生地のことをデニムと呼びます。クラシックデニムの一番の特徴は、本来晒しの糸を使われる緯糸をカーキに染めているところです。着用と洗濯を繰り返した後、白っぽくなっていくのではなく、ほんのりカーキ?黄色?のようなニュアンスカラーが立ち上がります。それはこのブランドが目指すデニムのあり方を定義しています。
この洋服に施される付属は、ボタンを鉄製、リベットを銅製にすることで、洋服が表情を変えると共に錆びていきます。古くなることや、ボロボロになっていく様を肯定するこの洋服の態度は、我々のお店の態度と通底します。
ジャケットの袖に施されたアクションプリーツで肩の可動域を確保し、袖口から始まるエルボーパッチ、袖の仕様自体はテーラードジャケットのニュアンスも感じられます。ポケットの形や前肩部分のウェスタンステッチも表現的でいい。
洋服は喋らないけど、読み取れるメッセージはとても雄弁です。
楽しむためには知識か、アドバイスが必要ね。そのためにお店があります。

パンツ、今シーズンはダブルニーを選びました。来シーズンはクラシックデニムもバイイングしているので、より悩ましい選択肢が生まれます。どっちにしようかな〜と思っていた人は、ダブルニーをどうぞ。選択肢が豊富にあることは自由である一方、決定に時間がかかってしまうので、決定の時間を短縮した分、着こなしの時間に当てましょう。
改めてSUGARHILLのクラシックシリーズの紹介でした。
いい洋服だと思いますよ。