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そういえば、お店に来たことがない人も、僕と話したことがない人も、もはや姿を見たことがない人すらいるんでしょう。今一度お店の説明をしておきます。仙台の中央2丁目にあるセレクトショップで、今年で25周年を迎えます。意外に歴史あるんだ。僕自身は入社10年目?くらいで、4代目の店長というかバイヤーというか、責任者です。

前任の方々は何をしているかというとウチの会社の偉い人になってます。お店の裏が本社になっていて、ほとんど毎日誰かしらとは顔を合わせるので、偉い人なんだけど近い人でもあります。そして彼らはもうとんでもない放任主義者たちなので、ほぼお店のことは僕らに任せっきり、お店に今何のブランドがあるのかすら正確には分かっていないでしょう。そして彼らはとんでもない放任主義者であると同時にとんでもない実力主義者でもあるので、心地よく自由に仕事ができています。

会社として組織的にお店を運営するのが一般的だと思うのですが、現場のことは現場にいる人たちの方が分かるよねっていうスタンスですので、基本的に口出しされることはまずありません。

自由には責任が伴う、を地で行ってるお店であり会社です。

RARE OF THE LOOPというお店を客観的に見ると、定期的にバイヤーが変わるので、お店のテイストが結構変わります。ちなみに僕はもうしばらくやるつもりです。今のお店が好きな人は安心してね。前のLOOPが好きだった人、ごめん。

そして何で続いているか分からないお店でもあります。皆さんの街にもありませんか?ずっとあるけど何で続いているか分からない店。あれです。

お店を運営している僕らはそれなりに時代の気分を反映したいなと思ったりとか、それに対する僕らの意見や姿勢を伝えたいなとか、数字に対する理論だったり、ファッションに対する熱量を持ってやっているのですが、客観的に見たら、ねえ。

そういえば小さい時に憧れた大人は、何やってるか分かんないけどご機嫌で楽しそうな人でした。今でも何やってるか分かんない人は大好きです。個人としてはどこまで近づけているか分からないけど、お店としてはかなり近いとこまで来ているような気がしています。

この間、自分がもし一生同じ店で買い物をし続けなければならないとしたらどういうお店を選ぶのか、という妄想をしていました。僕個人としては、唯一絶対の正解を示してくれるお店は嫌だし、流行の最先端です!とイキってるお店も嫌だし、結局迷ってるお店が好きなんだなと思いました。何が正解か分からんな〜とずっと言いながら、ずっとあるお店。百貨店に見られるような過度に上質なサービスも何となく居心地が悪いし(人間扱いされてない感覚になる)、適当すぎるお店はそもそも店として問題があるし、その中間くらいのお店として存在できればいいと思います。今のところは。迷ってるお店が好きな人は一生お付き合いください。頼むから。

迷ってるお店が好きだ理論、一歩だけ論理を進めると、そもそもファッションには正解や不正解という概念が存在しないという考えが根底に流れています。個人は個人として存在している。こないだYoutubeで音楽を聞き流していたらとあるアーティストが曲の中で”統計学上の人にならないで”と歌っていました。素晴らしい、そういうこと!!

また季節が変わって、僕らの信頼するデザイナーが新作引っ提げて発表する季節になります。みんなで見て、聞いて、感じて、着て、とやかく言い合いましょう。楽しみにしてます。


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