
Midorikawaからデニムジャケットが入荷しました。
デニムジャケットなんですが、色々デニムジャケットの定義からは外れています。
素材はコットンではなくシルク100だし、ステッチ垂れまくってるし、結構オーバーサイズだし
リベットとか赤耳とかデニムが語られる時に重要だと言われているディテールは何一つないし
シルク100だから柔らかいのか?と言われれば別に柔らかくもないし。
しかしながら織りは綾織で、縦糸は青、横糸は白。デザインはリーバイスサード。
デニムジャケットか?デニムジャケットではないのか? 難しいところではありますが
広義でデニムジャケット、狭義でデニムジャケットではない、というところでしょうか。
細かい定義とか蘊蓄なんかもファッションを楽しむためには大切なのですが
そういうのは一旦ChatGPTかなんかにお任せするとして
我々はAIにはできない「着る」という人間の営みを楽しみたい。

一般的なデニムジャケットを探す人には勧められない。
「なんかいいGジャンないですか〜?」って来て、これ出されたら「そういうことじゃないんだよ、、、。」とガッカリさせてしまうかもしれない。
一方で「Gジャンって着ないんだよな〜」「着た事ないんだよな〜」って人には自信を持って勧めたい。
一般的なデニムジャケットが持っている力強さやスタイルの狭さ、そういうものからは逃れられる。 自由さを感じてくれると思う。
力強い男性像に憧れながら、そういう風にはなれないなという諦念を持ちながら
デニムという素材に負けてしまいそうになりながら、着てみたいけど自分には合わないかもなと思っている方。
マッチョイズム的男性像とロックンロール的男性像の間くらいがちょうどいいなって。
これは全くもって自分のことなんですが、あんまり同じ考えの人はいないと思うけど、もし「なんか分かるわ〜」と思ってくださる人がいるなら、このデニムジャケットを着てみてください。

デニムジャケットが持っている歴史とその仕様に関して、
具体化⇔抽象化を何度も繰り返しながらMidorikawa的ディテールを加えていったジャケット。
地方の小売店が1店鋪で仕入れる数にしては少々リスキーな数量を仕入れたのですが、残り2着です。
Midorikawaの洋服には必要な不必要さがあって、とてもいい。