一個前のブログで来季から一つブランドが増えるよって書いたのですが
「どのブランドやるんですか?」と店頭で聞かれるのでお知らせしちゃいます。
foot the coacherってブランドです。靴のブランドです。
見てよこの写真。ちょーカッコいい。数年前のLOOKなのですが。
高校か大学で文系だった人、もしくは哲学に関心がある人にはお馴染みのデカルトの言葉
”我思う故に我あり”を”我歩く故に我あり”って。
I walk therefore I am. くぅ〜。
僕がバイヤーとして駆け出しの頃、師匠はおろか先輩すらおらず、バイイングに関して教えてくれる人は一人もいなかったのですが
そんな僕が編み出した勉強方法は各セレクトショップのブログをひたすら見ることでした。
数あるショップのブログの中でも、とある大阪のセレクトショップのブログが大好きで、
よく拝見させていただいておりました。
その方が革靴のことに関して言及した時、
おとこにとっての靴ってのはおんなみたいなものだ。
あっちの靴、こっちの靴と、いろんな靴職人の靴を渡り歩く人がいるが。
こういう人は大抵に於いて、おんな癖が悪い。
ちゃんとしたおとこは、自分が信頼するに足る靴職人を探して。
巡り会えば、その靴職人が仕立てた靴を履き続けていくものなのだと思う。
もし、それが性悪だったとしても、それはそういうものだと諦めて付き合っていくしかない。
と書いておられた。
僕にはこれが本当のことかどうか分からないが、かなり好きな文章である。
あれから10年近く経って、僕は僕なりに生涯履いていく靴を探してきたが、未だ見つけられないでいる。
foot the coacherはかなり偏った世界観を持っておられるように思う。
デザイナーにはまだ会ったことがないので、まだなんとも分からないが、きっと変な人なんだろう。
売れ線のデザインを嫌っているようにも見えるし、上手く解釈しているようにも見える。
いずれにしても、靴だけで世界観を表現することがいかに難しいかは想像に難くない。
古典と前衛の間を行ったり来たりする。
このブランドが作る靴は、これからもずっと見続けていたい不思議な魅力がある。